当工業会は建築物の給水や排水や給湯のシステム、温度や湿度の管理やコントロール、快適性や省エネルギー性能の向上等、建築物の利用目的や環境構築に欠かせない「設備」に関する計画・設計・工事・メンテナンス(保守管理)・改修・修理・機械器具設置などを主な業務としている事業者の団体です。建築業界の用語でいえば、建築物の要を担う「空気調和設備」「給排水衛生設備」「冷凍冷蔵設備」に携わる企業の協同組合となります。
 これら多岐にわたる建築物の設備は一括して「機械設備」と称されますが、設備機能を当初の計画通り適正かつ十二分に発揮させるためには、高い専門性を要した知見や計画や設計や工事や保守管理などが必要不可欠です。そのため設備業界をあげて、専門事業者への直接または建築との分離による発注の推進運動を全国的に展開しております。
 一方、建築業界は幅広い業種分野で技術者や技能者などの担い手不足に直面しています。設備業界も例外ではなく人手不足に加え、2024年の残業規制の適応に代表される働き方改革への取組みも待ったなしの状況にあります。また産業のDX化、ICTによる生産性の向上、設備のユニット加工やプレ加工による工業化、女性や外国人や多種多様な人材活用の拡充など、課題解決のための様々な活動が求められています。
 加えて空気調和(冷暖房や換気や空気清浄など空気まわり)や冷凍冷蔵(食品工場やスーパーや倉庫など生産・物流施設等)や給排水衛生(トイレや洗面所やキッチンなど水まわり)のシステム構築を主要な事業とする設備業界は、安全な水やトイレの供給、フロンガスの排出抑制等によるカーボンニュートラルの取組みなど、SDGs達成に向けた活動の主力を担う重要性も年々高まって来ています。
 そこで当工業会では、会員企業と共に「増やす・育てる・つながる・連携する・支える」をメインテーマに主に下記の活動を今後とも展開していく所存です。

  • 「若い人(担い手)や新しい人材(多種多様な人材)」を増やす活動
  • 「次世代(業界リーダー・新技術・新しい働き方)」を育てる活動
  • 「地域(県民の方・県内経済・生活インフラ等)」につながる活動
  • 「建設関連団体(建設業協会・同業種の組合等)」と連携する活動
  • 「公共(浄水場・学校・病院・国・地方自治体等)」を支える活動

 これらの活動を通じて、水と空気という重要な生活インフラを支え、地球環境や地域の守り手として重要な役割を担う業界としての自覚をもって、設備業界の社会的地位のさらなる向上や認知の一層の拡大、次世代に向けた永続的な業界発展の基盤づくりをこれからも当工業会は取り組んで参ります。

理事長  和田 弘